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いま、分かちもつ言葉と風景

大阪市阿倍野区民センター 2025年2月15日 10:30-16:30

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第21回 ハンセン病問題講演会特別企画写真展

『いま、分かちもつ言葉と風景 

- ハンセン病回復者、家族の軌跡』

【講演会日時】 2025.2.15(土) 13時00分~16時00分

 資料代 五百円

【写真展日時】 同日10時30分〜16時30分 入場無料

【会場】 大阪市立阿倍野区民センター2階大ホール

 〒545-0052 大阪市阿倍野区阿倍野筋4-19-118​​

【問い合わせ先】

ハンセン病問題講演会実行委員会事務局 TEL:06-7506-9424​​

​【詳細リンク】

https://www.pref.osaka.lg.jp/o100040/kenkozukuri/hansen/hansen_kouen.html

ある日、写真好きの入所者さんが療養所から見える海の写真が収められたアルバムを見せてくださいました。「らい予防法」が廃止された1996年の日付が記された海の写真の下にはその同じ場所から撮った翌年の写真、さらにその下には、その次の年に撮った同じ海が並んでいました。私は、時々、それらの写真を思い出し、法律が廃止される前も、その年も、そして今でも同じ海辺に立ち、その海を見ている彼の姿を思い浮かべます。

 

ハンセン病問題講演会の特別企画展として、大阪在住の写真家・小原一真氏が現在取り組んでいるハンセン病患者・回復者、そのご家族の記録が展示されます。大規模な災禍において見えづらくなっていく個に焦点を当ててきた小原氏は、これまで大阪大空襲の戦災障害者・孤児、ウクライナ戦争の最中に迫害を受け続ける少数民族などの記録を行ってきました。2020年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降は、コロナ差別の中で不可視化されたコロナ罹患者の看取りに関する聞き取りを行い、隔離の先にある見えない生と死の記録を行いました。その経験は、小原氏がハンセン病問題に取り組むきっかけの一つとなりました。

 

今回の企画展は三つの展示で構成されています。一つは、コロナ病棟の看護師が罹患者を看取った時の状況を看護師自身が記述したテキストと小原氏が撮影した病棟の写真です。二つ目は、2022年より小原氏が継続的に訪れている沖縄のハンセン病療養所「愛楽園」の入所者、退所者、そのご家族への聞き取りの言葉、そして、沖縄のハンセン病回復者の約100年前から現在に至るまでの生きた軌跡を追った沖縄の風景写真です。最後は、2024年から聞き取りを開始した関西在住の回復者・ご家族の言葉、そして、それに関連した大阪府内の風景写真です。

小 原 一 真 写真家。1985年、岩手県生まれ。ロンドン芸術大学フォトジャーナリズム修士課程修了。核・戦争・自然災害などをテーマに災禍の中で見えづらくなっていく人々の記録と表現を模索する。コロナパンデミック以降は、感染病棟での看取りに関する聞き取りを行い、2022年より沖縄のハンセン病回復者・ご家族の記録を始める。米ナショナルジオグラフィク財団、オランダ大使館などの助成を受ける他、作品は京都国際写真祭、アルル国際写真祭などで展示される。世界報道写真賞、Magnum Graduation Award受賞他、米TIME誌年間ベスト写真集選出など。

「Calvary Island - Tracing the Memory of Humanity」は富士フイルム株式会社GFX Challenge Grant Program 2022のGlobal Grant Awardを受賞し、2023年4月から9月まで取り組んだドキュメンタリー作品です。写真展「海にのぞむ ひとをおもう」では助成期間終了後から2024年5月の期間に撮影した写真を含め、さらに内容を発展させた形で展示を行います。

*ハンセン病は遺伝病ではなく、病原性の極めて弱い慢性の感染症です。現在、日本で生まれ育った人がハンセン病を発症するケースはほとんどなく、途上国の栄養状態や衛生環境が良好ではない地域を中心に年間14万人以上の新規患者が発生しています。不治の病気ではなく現在は適正な治療により1年〜数年で治ると言われています。また、治療した人と接触しても感染することはありません。

© 2020 Kazuma Obara

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