top of page
Platform
On The Border
2022年2月24日、ロシア軍はウクライナに侵攻を開始し、これまでに700万人を超える人々が安全を求め故郷を離れた。第二次世界大戦後、ヨーロッパで最大規模と言われる難民は西へ西へと流れていった。3月、6月、7月、私はウクライナ、チェコ、モルドバ、ポーランドを訪れて、それらの難民と難民にすらなれない人々を追って撮影を行った。私が追い求めた人々は放浪の民といったステレオタイプがありながらも、この戦争においては、その移動の選択肢を極端に奪われてしまったロマの人々である。「ジプシー」と呼ばれ、長年にわたってヨーロッパで迫害されてきたロマの多くは極度の貧困と教育機会に恵まれなかったことによって、戦争の犠牲者でありながら、不平等の保護の下、様々な困難に直面している。
彼らが超えられない国境線、白人と有色人種の間で線引きされた境界線、空襲による生と死の境界線の中で、よりどころとなる土台(プラットフォーム)について考えたかった。
bottom of page