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海にのぞむ ひとをおもう  

沖縄愛楽園交流会館写真展

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小 原 一 真 写真家。1985年、岩手県生まれ。ロンドン芸術大学フォトジャーナリズム修士課程修了。核・戦争・自然災害などをテーマに災禍の中で見えづらくなっていく人々の記録と表現を模索する。コロナパンデミック以降は、感染病棟での看取りに関する聞き取りを行い、2022年より沖縄のハンセン病回復者・ご家族の記録を始める。米ナショナルジオグラフィク財団、オランダ大使館などの助成を受ける他、作品は京都国際写真祭、アルル国際写真祭などで展示される。世界報道写真賞、Magnum Graduation Award受賞他、米TIME誌年間ベスト写真集選出など。

差別と隔離の中で守ろうとしてきたもの、

失われた存在、引き継がれた命、現在を生きる人々とその想い、

過去の軌跡と現在を生きるハンセン病回復者、

ご家族のポートレート写真など約70点を展示。

最新情報  《6月22日(土)14時から小原一真によるギャラリー トークを開催します 》

「こうやって曇った雨の天気だけれども、昔と変わらないのは波の音ですね。向かいの連山を見ていると私の小さい頃や女房と一緒にここで写真を撮った時のことがよみがえってきます。女房はハンセン病に対しての偏見が大変な差別の時代に私のことを理解し、愛してくれた。そういう彼女に私自身が人生の最後にどうやって答えたらいいのか。」

​会場 沖縄愛楽園交流会館2階

開館 10:00-17:00(最終入館は16:30まで) | 入館無料 

休館日 月曜日・祝日(7月15日、9月22・23日は開館) 

住所 沖縄県名護市済井出1192 | 問い合わせ 0980-52-8453 

写真 小原 一真(写真家)

主催 沖縄愛楽園自治会

写真展助成 (公財)沖縄県文化振興会 令和6年度文化活動支援助成事業

撮影助成 富士フイルム株式会社(GFX challenge grant program Global Grant Award受賞)

装備品協力 株式会社モンベル(モンベルクラブ・ファンド)   

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ハンセン病患者・回復者、ご家族の世代を超えた個々の物語 

 沖縄県北部、羽地内海の北に面する周囲16キロほどの屋我地島の北端に国立療養所沖縄愛楽園があります。現在、約90名のハンセン病回復者の方の生活の場がここにあり、1938年の園創設から現在まで、延3917人が園での生活を送ってきました。 大小様々な島から構成される琉球諸島では、20世紀はじめまでハンセン病患者の多くが集落周辺にあるお墓や隔離小屋と呼ばれる劣悪な環境での生活を余儀なくされました。その後、療養施設への強制収容を伴う法律の制定により、幼い子どもを含む患者たちが親や家族、地域から切り離され、隔離下の生活を強いられました。そこでは、患者根絶を目的とした堕胎・断種の強制不妊手術も断行されるなど様々な人権侵害が行われました。さらに、1944年からの沖縄戦、その後の米軍統治の影響を強く受けた療養所の生活が続きました。 治療薬は1940年代に開発されたにもかかわらず、患者隔離を定めた「らい予防法」は1996年まで続きました。長期にわたる偏見にされされてきた回復者とそのご家族の多くは、今現在もいわれのない差別をおそれ、生活されています。また愛楽園を退所した400名を超える回復者の人々も、病気の後遺症を隠すために、近隣での医療、リハビリ、老人介護施設などの利用が困難で、家族から離れ、療養所に再入所される方もいます。 今回写真展を開催する沖縄愛楽園交流会館は、回復者の自治組織である沖縄愛楽園自治会が中心となって2015年に開館した建物です。この場所は、広く社会に向けてハンセン病のことを知ってもらうということと同時に、回復者自身が家族にさえ多くを語ることの出来なかった言葉や既に亡くなられた人々の遺品が収蔵されている施設です。この交流会館に残された言葉を頼りに、自分の両親のことを知った家族、そして今もなお、生きている間にこの場所に残したい想いを持っておられる方がいます。 2022年11月に初めて沖縄愛楽園を訪れて以来、約1年半をかけて、入所者・退所者、そのご家族の記録、また、療養所が建設される前に家屋の焼き討ちを逃れた患者たちが渡った無人島などの風景の撮影を続けてきました。この愛楽園交流会館という場所で、少しでも多くのことを感じ、現在進行形の出来事として考えてもらえる、そんな展示になることを願っています。                               写真家 小原 一真

「Calvary Island - Tracing the Memory of Humanity」は富士フイルム株式会社GFX Challenge Grant Program 2022のGlobal Grant Awardを受賞し、2023年4月から9月まで取り組んだドキュメンタリー作品です。写真展「海にのぞむ ひとをおもう」では助成期間終了後から2024年5月の期間に撮影した写真を含め、さらに内容を発展させた形で展示を行います。

*ハンセン病は遺伝病ではなく、病原性の極めて弱い慢性の感染症です。現在、日本で生まれ育った人がハンセン病を発症するケースはほとんどなく、途上国の栄養状態や衛生環境が良好ではない地域を中心に年間14万人以上の新規患者が発生しています。不治の病気ではなく現在は適正な治療により1年〜数年で治ると言われています。また、治療した人と接触しても感染することはありません。

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